松江城 破綻寸前の財政を立て直した、7代目藩主「不昧さん」

2020年12月4日放送 「チェンバリスト明楽みゆきの浪漫紀行」
ゲスト:松江歴史館 主任学芸員 新庄正典氏

日本100名城の松江城は関ケ原の戦の後、太田川河口の宍道湖に面した地に、松江城は築城された。お堀には4つの橋がかかり、30分ほどかけて遊覧船で楽しめる。 城を出て北惣門橋を渡ると家老屋敷風の「松江歴史館」がある。ここでは、国宝の天守や町の移り変わりを、映像、模型、書割、切り絵等で展示している。

この松江城が完成(1611)する前、初代堀尾忠が亡くなり、その後も次々と藩主がかわった。 1638年松平直政(家康の孫)が入封したが藩財政はひっ迫していた。 6代目から改革がはじまり、7代目(1767~)松平治郷が藩財政を好転させた。治郷は、茶道に精通した人物で、「不昧公」「不昧さん」の名で知られ、この歴史館では、和菓子の実演販売があり茶室も設けられている。
治郷は、薬用人参 (高麗人参)を雲州人参として栽培や、特産品の「たたら製鉄」を鍋や釜等の製品にして美保関から長崎経由で清国に輸出する政策などで財政を立て直しに成功する。 この他ハゼの木の実を加工したロウソクを美保関から、北前船で大坂などに運んでいる。

  歴史館の近くの「松江ホーランエンヤ伝承館」では、1648年から10年に一度の船神事をVTRで観ることができる。 約100隻の船が、大橋川と意宇川を舞台に繰り広げられ、5つの地区が競って 5隻の櫂伝馬船の上で、豪華な衣装で櫂伝馬踊りを披露する。  『ホーランエンヤ祭』として知られ、正式には松江城山稲荷神社式年神幸祭である。(藩主松平直政が、松江城山稲荷神社の御神霊を阿太加夜神社へ神輿船で運び祈祷したのが始まり) 大阪天満宮の『天神祭』、広島厳島神社の『管絃祭』、と合わせて日本3大船神事。 新潟から伝わったもので、日本海、九州、瀬戸内海の北前船の寄港地には似た船祭りがある。

 松江歴史館では、企画展「出雲国を彩るかざり」が2020年12月4日から来年2月7日まで開催しており出雲ならではの物が展示していると新庄さんは語っている。

松江歴史館HP: https://matsu-reki.jp/

この番組は、ピナクルズ、トータル運輸、山元醸造、兵庫津樽屋五兵衛の提供で、FM札幌しろいし局が制作し、毎週木曜日から北前船寄港地13箇所で放送されています。  スマホからは「日本ラジオ」をインストール、アイフォンからは「Tune in Radio」で、パソコンからは「各FM局」検索で聴いていただけます。

文:矢竹考司